蘇州

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蘇州夜曲という戦前のヒット曲、あるいは東洋のベニスという形容から、鄙びた古風な町をイメージしていたけれども、実体は巨大な現代都市であった。
江南地区は最も肥沃で豊かな地方なのだろうが、ここではひとつとして裏寂しい田舎町はない。
いずれも数百万人の人口を有し、高速道路と高速ビルと広大なニュータウンと破壊されつくした旧市街で見分けが付かないほど画一化されている。
そして夜になればLEDを詰め込んだ電照の帯をメインにした装置でギンギラにライトアップされる。
この写真の下にある白い配線もそのひとつで夜間に水中を照明するものだ。
中央に縦に伸びてるパイプは2回からの排水を導くものらしい。
ひょっとして落語にある「2回からションベン」ではあるまいか。
どの街もギンギラだけど、さすがに上海は圧倒的で100m以上のビル全体が電照広告のスクリーンになるという歌舞伎町も真っ青の巨大なライトアップが並び、高速道路まで青く照明されている。

車は高級車が多く、滞在中に数台のフィットとヴィッツ1台を見たぐらいで大衆車よりもBMWなどが圧倒的に多い。それらが信号にお構いなくクラクションを鳴らしながら歩行者を蹴散らしていく。
街を散歩しようとして青信号で横断歩道を渡ることができない。
直後にパトカーがいても関係なしだから、車の優先が公認されているのだろう。

急激な都市化でモラルというか生活規範が追いつかない。そんなことが過去の日本でもあった。
だから偉そうな事が言える立場ではないが、成功して金持ちになった人たちが車に乗ってこういう恥知らずな行為をしているし、一般の人達も列に並ぶとか他人に配慮するという基本が出来ていない。
マナー最悪ということは聞いていたが、風景と同様に人心も荒廃している。
と言っても
数日間、観光地を巡っただけだ。
ツアーにつきものの御土産店めぐりを逃れて散策した平凡な市民生活の場面では、人々は穏やかに子供を愛し、犬猫を可愛がって笑いながら生活していた。
一箇所に滞在しながら暮らしに触れてから語るべきだろう。
こういう足早なツアーは久々だったが、旅の形としては無理で良くない。
だから悪口は慎むべきだな。
ではまた。