阿佐ヶ谷ー吉祥寺ー銀座

出版社マンガ編集部は午後から稼働するので、学生が持ち込みに出かける前に見学が設定されている。
3日目はアニメーションスタジオのMAPPA
ここで「この世界の片隅に」が制作された。
狭い部屋にぎっしりとライトテーブルやパソコンが詰め込まれていて、見学の新鮮みはない。
ただ床下にリアルな頭部の像が転がっているなと注視したら本物の人間だった。仕事に疲れたおっさんが机の下で寝ていたのだ。
話にはよく聞くが120cm四方もないところで作画に明け暮れる。俺には耐えられないな。
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JR阿佐ヶ谷まで続く重厚なケヤキの並木。
幹がえらく太いので調べてみると60年ぐらい前に植樹されていた。
こんなに短い時間で素晴らしい環境が得られる。都内でも並木の整備には感心させられる。
東日本の方が緑へのこだわりが強い?

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この後、ジャコメッティでも見に行こうかとも思っていたのだが、逆方向の吉祥寺に向かう。
井の頭公園は評判通りに落ち着いたところで、駅前で買ったホカホカのおにぎりを食べながらジブリの博物館まで木立の中を歩く。
この夏の入館チケットはすべて完売していると知っていたが、白人系の団体、それもフランス語が聞こえていた。もちろん中国人も加わるから、これは厳しい争奪戦になっているようだ。
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ジブリの隣はテニスコートで、しばし観戦。
皆さん、なかなかにお上手です。いまごろ女房はテニスやってるだろう。俺もやりたいなあ。
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歩き疲れたので池のほとりのベンチで休憩。ここでも居眠り。
周囲は老人だらけ。読書している人が多い。夏の午後を涼むには最適な場所だ。
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暇つぶしにスケッチ。
樹木に似せたセメントのフェンス。なぜか箕面の滝を思い出す。幼年期の記憶だろう。
この柵は好きなものじゃないけど、描いてみると意外に手が込んでいてパーツの組み合わせではなく柱の間隔も全て違っている。これ全部が手作りか?
調べてみると「擬木」といって昔は手作りだったそうだ。

この地域の土は黒くて粘土質、ローム層というものかな。広島の白いマサはギラギラして目が痛くなるほどだが、これだけ黒いと陰気を感じてしまう。

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井の頭線で渋谷に出る。
この光景がしょっちゅうテレビに出るけど、この街に何かがあるとは思えない。NHKが近いだけか。

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山手線で新橋へ。地下鉄はどこを走ってるか見えないからなるべくなら乗りたくない。
銀座は香港に居るような状況なのでArtBookの表示に釣られてツタヤへ。
あちこちに置かれた椅子に腰掛けながら美術書を眺める。
池田学の細密ペン画。こいつはすごい。好きな作風だ。
40年前に俺も描いたことがある。北九州のビエンナーレに出品したな。
地獄絵の子供向け絵本とか。手に取る本で今の自分が見えてくる。

夕方から東京で働いている卒業生3人と焼き鳥屋で飲む。
写真家、イラストレーター、レタッチャーとみんな美術関係で頑張っていて、30代後半、そろって婚約中。仕事のことや彼氏のことなど盛り上がり11時まで飲みまくる。
学生には9時までの帰還を強制して、俺はへべれけで深夜に戻る。