可視化?

近頃よく聞く言葉「可視化」。
一時は何でもかんでも数値化だったが、数字が並んでも何のことか分からんという次に来たのか。
いずれにしてもアメリカの後追いなのだろう。
美術の仕事は昔から「可視化」なんだから、安直に使ってほしくないなあ、と感じていた。
ところで先日、広島で国際科学映像祭がプラネタリウムをスクリーンにして開かれた。
この大会の英語綴りはInternational Festival of Scientific Visualizationとなっていて、「ほう ほう」と思わされた。
俺は映像アニメーションというコースの担当で、この「映像」をどう英訳するか困っている。
Imaging Arts、  Moving Images、   Movieなどが他の大学で使われているけれど、領域が限定されてしまうのでしっくり来ない。
幅広く曖昧に捉えて 輪郭をぼかすという日本的認識と英語は相容れないのだろう。
ということで映像という幅広さにはVisualizationがピッタリじゃないかと思われる。
でもそれが「可視化」となるとイヤですね。
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映像祭の作品ではVisualizeへの徹底ぶりでアメリカが圧倒していた。ま、巨大なスミソニアン博物館だから勝負にならないのだけど、ラジオドラマの背景のような日本作品の映像にはガッカリさせられる。
英語がわからないひとにも宇宙創成の概念を伝えようとする映像に対して日本語が分からなければさっぱり通じない内容。
これは英語力を云々する以前の、伝達をどうとらえるかという問題でしょうな。

今回は身に過ぎた難問題を語ってしまいました。