韓国へ


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韓国に行ってきた。
行きたい所よりも、行かねばならないところがあるとすると、今のところそれはニューヨークと韓国なのだが、あまり飛行機に長く乗るのは鬱陶しいという理由から韓国である。
広島から70分だからとても近い。簡単な機内食をあわてて食べたらもう着陸だ。
この2月にも立ち寄っているインチョン空港の新しい空港鉄道駅は大変に大胆なデザイン。
全くの個人旅行なので私の格好はご覧のように山登り風です。
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宿に荷物を預けて早速に近辺の古い町並みを散策。画廊がやたらと多い北村という地区のスナップ。
景福宮を見学して宿に戻り、関空から来た息子と合流。インサドンというお洒落な街で夕食。俺はいつも適当なものを買ってきて宿で食べることが多いのだが、今回は三食すべて外食。こんなことは初めてだ。
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二日目は良く晴れていたので、宿からすぐ近くの昌徳宮へ。皇帝のお庭(秘園)の見学ツアーにも参加する。日本語ガイドのお姉さんは偉そうで怖い雰囲気だったが、息子が色々と質問したらなかなかに博学な才媛。植物や食べ物などたくさん解説してもらい、最後は写真もご一緒に。
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昼食後、宿で休憩していたら青空が一転して真っ暗になり、激しく雨が降り始めた。
我々が借りていたのは伝統家屋のサランチェとよばれる離れの一軒家なので、窓を開け放し、雨音を聞きながら昼寝。これがソウルの街中とは信じられない。(現代財閥の本社ビルの裏手です。)
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爆睡して元気を取り戻し、国立博物館へ。ものすごく立派で無料。ここの弥勒半跏思惟像が広隆寺の原型だとか、どこかで聞いたことがある。展示は朝鮮の歴史が文化から理解できるようになっていて、展示のコンセプトを想像すると興味深い。百済と日本はかなり密接に結ばれていて法隆寺などは当時の最新流行だったことがわかる。やたらと広くてクタクタになった。

深夜、窓を叩く人が居ると女房が我々を揺り起こした。扉の向こうで何やら英語らしき声がする。
「開けてくれ」  しかし、1時過ぎに街中の一軒家で扉を開ける人がいるだろうか?どんな目に合うかわかったものではない。息子が「Get out here!」と大声で叫ぶ。でもまだ電気のスイッチがどうのこうのと、ぼそぼそつぶやいている。玄関の間にある電源をON-OFFしながら対応してみるが、どういうことかさっぱり理解できない。次には玄関の隣にある施錠された一室から声がする。「私はここに住んでいる。」なんて言い出す。頭がおかしいのが入り込んでいるらしいと、隣家の管理人に電話して来てもらう事にする。
何と、その人は続きの間を借りている女性で,深夜に帰宅したら部屋の明かりがついていて眠れない。そのスイッチがこちら側にあるということだった。
隣室に宿泊客がいるという話は聞いてなかったし深夜に窓を叩いて回るという行為も理解できない。まあ一件落着したので眠ろうとするが興奮して寝付けないし怒りは高まる一方だった。
翌朝、文句を言ってやろうと考えていたら、先に息子が挨拶に行き、すっかり和解して今日の訪問地の情報や交通アクセスなども教えてもらってきた。チェックアウトで顔を合わすと隣人はフランス人の小柄な中年女性。「何も知りませんでした、すみません」と謝罪。あちらも恐縮している。仕事で来ているご主人とは別行動で2週間、韓国を旅行しているという。

この宿のご主人は緒方健に似た風貌で、隠居した知識人というか、まさにこの家にふさわしいヤンパン階級の子孫みたいな人。日本から来たオッサンと明日の併合100年の行事について話している。明日がその日に当たっていて「国恥」と言われているそうだ。
宿の娘さんは日本の小学校と大学に行っただけあって完璧な日本語と英語を話す。建築や芸術に興味があって、もう一度、日本の美大に進学を考えているということで、ここでも進学相談。インテリ親子が余裕でやっているという感じの民宿、Seoul Guest House。欧米人と日本人が多く利用しているようです。大型の韓国犬がとても可愛い。
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40km以上も離れている水原まで鉄道の料金は何と140円ほど。帰りの指定席特急が220円だった。市内の地下鉄はだいたい80円。高速バスも280kmで1300円だったし、だいたい交通費は日本の3分の1。食費は60から70%程度だ。
あちこちにINFORMATIONがあって日本語を話す職員が対応してくれる。韓国は英語学習が盛んで若い人はみな英語だろうと思っていたが、バスの中で、街角でたくさんの若者が日本語で助けてくれた。日本に来た外国人がこういう便宜を受けることは考えられない。凄いなあ、韓国の青少年。
この水原(スウォン)にある城壁が世界遺産に登録されている。八達門の周辺が賑やかな市場でおもしろかったが、市街地はチープな現代風なので古い遺跡が浮いてしまってる。他人事ではない難問題だ。
この帰り、ソウル駅で帽子を紛失。台北でもデパートで帽子を無くしたが、またもや。

この日の宿はイノステルと称する新型の安価なホテル。しかし部屋にはベッドがふたつだけ。予約と違うと文句を言ったら、これ以上の大きい部屋はないし、韓国の習慣としてベッドが足りない時は床に布団を敷いて寝るのですとのこと。まさかと思ったけど、考えてみれば韓国の人たちはオンドルの部屋では薄い布団で眠っている。そういうことかと引き下がり、ベッドを隅に動かしてスペースを作り、息子が床に寝た。

ソウルは大都会でいろんな楽しみ方があるけど今回は古いものを中心に見ている。
今回のメインである安東、河回村は次回。