サロンシネマでフォーク

コーエン兄弟の新作「inside llewyn davis インサイド ルーウィン・デイビス」を見に行った。
8月で引っ越す広島の至宝サロンシネマ。
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何処を見ても崩壊ばかりの日本だが、広大本部と古書店と食堂の学生街、鷹野橋はいよいよ崩壊か。
広島で暮らした37年間、ここが唯一こころ落ち着く街だった。
いまは、まさかの日赤原爆病院に通っているが、鷹野橋という安心感、かすかに残る当時の余韻に慰められている。
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この巨大なシートの前に自転車を畳んで置けた。
オールナイトではさすがに尻が痛くなったけど、自由に姿勢を変えられた。
広島名物として日本中に誇れますよ、と話しても皆さんカープばかりで。

さて、映画は期待通りの文芸秀作。俳優も演出もカメラも、そして音楽が素晴らしい。
「500マイルも離れたて」が流れたときはぐぐっと来ましたね。
滅多に歌わない俺でも歌詞は知っているし、もちろんギターでもよく弾いている。
PPMをコピーする男二人に女性の3人組が高校生時代に大流行した。この映画の女優は、その時にクラスのバンドで歌っていた小柄な女の子に似ていた。傍らでギターを弾いてハモっていた彼女のボーイフレンドは大柄な人気者だったけど、20歳の時に徹夜麻雀の後に心臓麻痺で急死した。
通夜の席に彼女が来た時のことは忘れられない。

フォークソングにはフワフワのマシュマロのようなイメージを持っていて好きではなかった。ギンギンにノイジーなブルースに傾倒していったのだが、本場ではしっかり共通の根を持っていたようだ。
それを確信させるサウンドが映画の中にいっぱい流れて、とても充たされる。
その高揚感でギターを弾くと「やっぱり、これやな。ピアノではあかん」という気分になる。
まあ、何を弾いてもたいしたことはないにしても、若い時から弾いていたという差は決定的だ。
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ネコを抱いてNYを流離う姿や、癖の強い脇役が強く印象に残る。
我が家のネコは人前にも敷地の外にも出られないので、こういう姿は真似できない。
それで描き写してみたのだが、かなりテキトーなのでこれは著作権の侵害にはならないはずだ。