また京都へ

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もう少しは他のところにも行ったらどうか、と思うのだが、何やかやと用事もあってまた京都。
今回はパソコンに自転車も携えて。
ということでサイクリングのレポートを。

曇天の朝、七条を西へ走って桂離宮の向かい側から河川敷の自転車道を北上。雑草の繁り方にも昔が思い出されて安らぐ。
松尾大社宮司の朝礼を見ていると、重森三玲作の庭とある。東福寺の方丈で驚かされていたので、迷わず拝観する。
庭掃除をしていた暇な御老人に過剰な説明をしていただくが、庭の完成後に立て替えられたであろうコンクリート製のだらしない社がブチ壊していることには一切の言及も無い。
モダニズムの光と影が交わってどろどろした気分。
最晩年の作というが細々とした石の羅列に少し失望。
(帰宅後、調べてみたら大徳寺瑞峯院の庭園も彼の作だった。2,3年前に見てあれにはショックに近いものを感じた。やっぱり凄いです。訂正。)

渡月橋を超えて天龍寺。ここには入ったことが無い。「いっぺん見とこか」と拝観。
朝早くでガラガラ。広々した庭園が更に広く感じられる。嵐山の整った山並みを借景にした絶妙のロケーション。坪庭と言う閉鎖系が俺には向いているが、この手の庭は大変だ。京都でしか成り立たないかもしれない。

嵯峨野の竹林は保存もよく以前と同様の風情を保っているようだ。
落柿舎や二尊院、念仏寺を素通りして清滝へ。
峠のトンネルは昔のままの狭さで路線バスとの離合では壁に密着して避けねばならない。
(真っ黒な煤がTシャツにべっとり)
このあたりから小雨が降り始めたが木々が傘代わりになってくれる。
高尾までの渓谷路は大昔に歩いたことがあり、最近に自転車で通った次男から話しは聞いていたけれど予想した以上に岩場や階段が多く、かなりの距離、自転車を担ぐことになる。
高尾では当然に神護寺へ参詣。
この階段も厳しい。
参拝の人たちはみな汗びっしょり。やはりここは秋の紅葉がよいでしょう。
本尊の薬師如来はかなりずんぐりしておられる。
父の冥福を祈願して線香をあげた。

市内への峠を越えると仁和寺で少し休憩。ここで12時ぐらい。すごい行動力です自転車は。

明日に予定していた美術館もついでにと岡崎の近代美術館へ。
1階に「八木正」展。
30年前に少し関わりがあり一緒に展示したこともある。レスラーのように迫力ある体格だったのに、しばらく後、30歳にならずして白血病で亡くなってしまった。
改めて見るとずいぶん洗練された明快な作品を作っていたものだ。
曖昧でスタイルのない自分。

「麻田 浩」、以前から気になっていた作家の回顧展。
重かった。
描きすぎたんじゃないかな。思念の世界ばかりを。
とても好きな作風と画題なんだけど・・・・
午前中のハードなランニングよりもはるかに疲れた。
日本画家の父、麻田辨自同じく兄の麻田鷹司の展示も別室であって辨自83歳作の犬にホッとさせられる。淡々と外界を眺める、甘い焦点の画風。
没年をみると、この3人、ほとんど同時に亡くなっている。

考えさせられる展示。転がるように帰宅。

皆既月食の翌日は不安定な天候のもと、玄関の窓枠や鉄柵の塗り替え。
マスキングに手間取って一日仕事になってしまったがすっきり。
昨年から物置、壁、風呂場と塗り替えやら補修ばかり。
塗料の乾く間に東福寺へ墓参りに行って、家の事は心配ないよと報告。
山門を出てすぐの同聚院を覗くと不動明王がかなたに拝めた。ここでもローソクをあげておく。
1000年は経っているらしい堂々とした居住まい。
しっかり護ってもらえそう。