和歌山から奈良へ3

豪邸民泊から15分も走れば飛鳥の真ん中、岡寺に着く。
途中、橘寺や石舞台など馴染みの風景。岡寺山門の真下に無料駐車場があることをネットのリサーチで知る。
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工事車両がたくさんだ。2年前の台風で裏山が崩れたそうだ。かなり本堂も危なかった。巨大な塑像の御本尊と左右の明王さんも際どくセーフだったのだ。
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シャクナゲで有名な境内はいろんな花がいっぱいだ。
手水鉢の花など植木屋さんが手入れしていた。朝一番に来るとメンテナンスが見えておもしろい。

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北方へ少し走った安倍文殊院。大学の授業以来だから45年ぶりの再訪。
そんなことをチケット売りの若い女性に話したけど、なんのこっちゃみたいな反応。
ここの文殊菩薩は像に乗っていたと記憶していたが獅子だった。
快慶作のポップな仏像5体が国宝になっていた。
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すぐ近くの聖林寺。カーナビに従ったらとんでもなく狭い道に導かれた。使い慣れていないこともあるが地図の事前学習は必須だ。
ここの十一面観音は女房のFavoriteで、前に来た時に買った絵葉書が冷蔵庫に貼ってある。
次男が結婚する前に一緒に来てるから10年近く前のことか。
端正な天平の観音さま。こんなにハイレベルなものを作れる人がいた。時代があった。

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奈良盆地を北上して山中の円成寺へ。
両親を連れて来たことがあるから17年は前のことか。あの時は秋篠寺や新薬師寺など、歩いて行きにくい寺を選んで車で回ったのだが、女房は居なかった。
ここの大日如来は若き日の運慶作で美術史で必ず紹介される仏像だ。
ただ、浄土式庭園の池ギリギリに県道が通っていて雰囲気はよろしくない。御本尊も見にくくて失望した記憶がある。
もっと前には池の真ん中を県道が通っていたという。こういう呆れた乱開発が奈良には多い気がする。
のんびりおっとりしていた田舎に突然の変化だったのだろうが、行政の責任である。
新しい展示室ができて大日如来がはっきりと拝めた。
ふとバチカンミケランジェロを思い出す。そんな清新な空気が感じ取れた。
この如来の完璧復元コピーも置かれていて、全身金ピカ、ギラギラ彩色で厚化粧の色狂いみたい。数歩、後ずさりしてしまう。
信じられないことだが、これに向かって祈りを捧げていたのだ。
だとしたら我々が有難く拝んでいるのは何なのか?
走り去る車の騒音を聞きながら、そんな思索を迫られる、ありがたいお寺です。
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円成寺のすぐ近くの岩船寺
浄瑠璃寺に来るたびに標識を見ていて、いつかは拝観にと思っていたが、道路が狭くてバスでは難儀するだろう。離合でも再三譲りあった。
紫陽花のシーズンで「花の寺」を売りにしているから参拝客は多い。花はさほどではないが三重塔が素敵で絵になる構図が得られる。
この庭を歩いている時から雷鳴が聞こえてきて、ポツポツと雨が降り出した。
車に戻り、次の目的地を目指したのだが雨は激烈に降り続け、しばらく車を止めて待つ。
結局、ルートを変えて宇治田原へ抜けようとしたのだが、その道も険しく、雨水に土砂や小枝が流されて異常な状態に。
1年前の土砂災害を思いだしUターンする。
10数キロ走ったら路面が乾いている。行き交う車も濡れていない。
そのまま24号線を走って実家に向かった。

夕食の食材を求めて自転車で京都駅前のイオンに行ったら強烈な夕立に。