俺の場合は通勤というより道楽とでもいうもの。
水の流れ、鳥の声、野の花、そして時には音楽。
特長もない凡庸な郊外のルートで、それはうちの嫁さんと同じですけど・・・と言いたいところだが
先日、研究室で孫の映像を見ていたら、学生が「横に居るのは娘さんですか?」と女房のことを尋ねてきて俺はびっくりした。細身な身体だから若く見られるが、娘とは!
妹を娘と言われたことはあるが、いよいよ俺の老けぶりも平均値を超えてきたようだ。
その女房殿が近年凝っている紫陽花。今年もたわわに咲き誇っている。
京都の書店で出会った画家クートラスの本が職場の図書館にあったので読んでいる。
まだ、汚くてぼろぼろの風景が残っていたパリ。数日泊まったホテルのあったモンパルナス。そしておれが石に描いていたような図柄のカード。
こういう人生もあるんだよな。
流しの横に置いている古い作品。
水がかかる度にその部分が鮮やかな色に変わる。作為のほとんどない図柄で悪くない。