朝一番の講義でトリックアートについて話している間に、日差しはどんどん強くなって来たから、次の演習授業では先送りにしていた「光と陰」に急遽切り替える。
影絵で刺青したりアニメーションにしたりとか
凸レンズで木片を焼いたりとか
まとまった作品にはならなかったけれど、光と一緒に遊んで、ゆったりと過ごした。
夕暮れ、ロイ・オービソンの透明な歌声を聴きながら、傾いた光の中を帰路につく。
見慣れた風景のどれもが、一枚の雑草の葉っぱでも、光を浴びて輝いている。
地球の未来、人口爆発、職場や仕事、自分の行く末など、煩わしい問題は山積みだけど
「すべてこれで良し」
そんな気持ちに包まれる。
光から生命が誕生したんだろう。
生きているって、こういうことなんだ。
ここに一杯のビールがあれば、もう何も要りません。