記憶 三分間

いま、梅小路は四季の花が咲き、散策する人が絶えない広い公園になっているが、昔は貨物駅と操車場だった。
その横を走る大宮通は高架になってJRを跨ぎ、路側帯は鉄路の下を潜る。
高架はガチガチのな鉄骨造りで、トンネル部はレンガが積まれ、舗装は石畳だった。初めての油絵はここで描いている。
その石畳は一部に残っているだけだが全体は昔のままで、産業革命の余韻を感じさせる。
新幹線が更にこの上を走っているから4重の交差になっていて、近代遺産として保存しても良いのじゃないかと思う。
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このトンネルを東寺のある南側に抜けて右折したところに、「三分間」と呼ばれていた奇妙なポイントがあった。
子供がかがんで通れるぐらいの暗渠にチョロチョロと水が流れているのだが、3分ごとにドドドッと水が噴き出すのだ。
暗渠を10mほど進むと上部へ抜ける縦穴が空いていて、いつ水が噴出するかという恐怖をこらえて通り抜けるという一種の肝試しの場所になっていた。
もちろん、僕は通り抜けたことがない。
上流にあたるのは京都駅だからボイラーなどで使った水なのだろうか?だったら川に流すことも出来るのにわざわざここまで導いて来ることもないだろう。

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グーグルのストリートビューで検索したら「遺構」が残っていた。
近辺の人なら、まだ覚えているかもしれない。
こうして記憶を辿っていると「管理が曖昧」だったから出来たことばかりだな。
これからを考えるときには、この緩さを忘れてはならないぞ。
ということで、グーグルさん、画像の無断借用、許してくださいね。