記憶 絵

明日から展示が始まる。
搬入の後、ギャラリーの向かいにある図書館に入ったら、ずらりと並んだ絵本が目に止まった。
こういう形も良いものだなあと、浮気性がまた頭をもたげる。
オブスクラ展はもう6回目になるが、その間、ずっと絵画作品は発表していない。
絵は子供の頃から描いてるから、振り返ってみると絵とは長いつきあいになるなあ。
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1、2年生の絵日記を棚の奥から取り出して眺める。
1年の方がよく観察して描いている。クレパスに鉛筆を加えて細かな描写を試みている。
2年ではクレパスに慣れたのか、塗りがしっかりしてくるけど、絵の魅力としては低下している。
このあと3年から4年間、N先生から決定的な影響を受けて絵ばかり描いて過ごすようになるのだが、
あの出会いが無ければ、どんな道を歩んだのだろうか?
ずっと一緒に描いたり作ったりしていた同級生のM君は、いま医学部教授になっている。
彼は芸大へも合格していたから、そちらに進むこともできた。
彼の父親は鋳金作家だったので、工房でよく遊んだ。長めの髪が額に垂れてカッコ良かったな。
幼稚園の友達の家も画家だったようで広いアトリエで遊んだ記憶がある。
近所のガラクタ屋(自転車の補助輪を買いに行ったら、ゴミの山でホコリだらけ)は実は高名な画家であって、店の奥にはアトリエがあり、皇后様が絵を買われたという。これは噂。ホントかな?
付近には仏具店も多く、路上で螺鈿を修理する作業を見物できたり、地獄絵にびびったり、美術的なものは生活の中に沢山あった。

次回は至近距離にあった、そんなエピソードを紹介しよう。