レンブラント

どんよりした蒸し暑い日が続いていたが、本日はまさに夏。
男らしい男が滅多に居ないように、夏らしい夏も稀だ。
でもハワイは毎日こんな天気だろうから、自分が思っている夏のイメージを修正するべきなのだろう。
朝早く大学に寄ってから病院へ向かう途中、大通りの並木から蝉の合唱が聞こえる。
寝苦しかった昨夜の余韻が湿り気となって残っている7時前の空気。
旅先での夏の朝の記憶が甦る。

帰り道は山際のルートをとったので樹木に注目する。
淡々と樹木だけを写生して過ごすのも悪くないなと、以前から考えていた。
写真では写し取れないものが樹木にはたくさんある。
その前に先人たちがどのように樹木を描いたのか、調べてみるべきだろうと、帰宅早々にレンブラントの画集を開く。
イメージ 1
30年ぐらい前にもやっていたエッチングの模写を再び試みる。レンブラントは右利きだったようで、プリントしたものは描線が左上から右下に流れている。強弱、メリハリがうまい。かなり手は素早く動いていたようだが視線はしっかり物に注がれている。
速記術的な素描の達人だからもっとスピーディなペン画もコピーしてみる。
イメージ 2
17世紀のオランダは藁葺き屋根だったのか。
農機具が庭に置かれていたり人物が3人、屋根に鳥がいる・・と楽しい。

この画集には同時代人のフランス・ハルスも紹介されていて、速記術と言えばこの人。
フェルメールと並べて3大オランダ画家としていることに僕も大賛成。
ロンドンのナショナルギャラリーで見てびっくりしたことがある。200年も時代を先んじていた。
イメージ 3
このタッチ、まったくマネだ。で、全体はこのように絶妙のバランス。これからはハルスですぞ。
イメージ 4

ブリューゲルレンブラントの素描の細部にゴッホを再三発見する。
これが伝統という物なのだな。風景を大切にしているからこそ伝えられる。

こんなことばかりしていたら腰が痛くなったので、しっかり散歩へ。
素晴らしい空、夕方の光。すべてが美しい。