琵琶湖一周

予報に反して二日目の朝は時雨れていた。
近畿の北部は雪というので、18切符を使って琵琶湖一周に出かける。快速がたくさん走るようになって湖北へのアクセスは格段に良くなっている。あっという間に雪が残る近江長浜へ。
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古い町並みを活かした再開発の成功で知られているが、ちょっとうまく行き過ぎているというか悪乗りしているようでもある。ロケーションと交通の便があってのことだろう。
時雨の中を歩き回って、こんなものかいなと思ったところ、あれまあフィギュアの海洋堂ミュージアムがある。メディア表現の指導教員としては見過ごせないではありませんか。
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以前に現代美術館で見た展示の印象が蘇ったばかりでなく、ベネチアで見た村上隆の位置が明確に見えてきた。ひょっとして同時に展示されていたチャップマン兄弟の地獄ジオラマ海洋堂の手になるものだったのかな?
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30cm立方の箱に籠められたミニチュア世界が特におもしろい。ノアの箱舟やイリュージョン錯視の世界、エジプトの秘宝から水中世界など、世界のすべてがミニチュア化されている。
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グラマラスな少女キャラクターもふんだんに展示されていて、いつの間にか容認から積極的な支持に自分の考えが変化していることを意識する。もちろん俺も古い世代だから、文学的なメッセージが皆無の、いわゆる芸術的表現から程遠いポップなキャラクターには100%賛同できないが、哲学の欠如した裸婦像にはもっと強い反感を持っていた。これらのフィギュアは彫刻の現代的な在り方であり、新たな美的規範も確立されている。これらのモデラーたちが美術大学を経由していない(らしい)のも興味深い。マンガ・キャラクターの価値観と既存の美術は物差しを共有できるのだろうか?自分の職場が存続できるか否かの大問題だな。ヒントは江戸時代にありそうな気がしている。まあ、この思想的な背景や基盤を云々する前に、すでに勝負と先行きは決定されているのだけどね。
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湖北から一山超えると北陸。ということで雪国です。このあと強風で列車が一時停止するハプニングも。
18切符、フルに使ってます。