青春18切符

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18切符で里帰り。
帰省した次男が戻るときに同行して、丸亀に立ち寄り「マルレーネ・デュマス展」を見る。
俺には油絵のネチョネチョ感が体質に合わないので、水彩的なアクリルを多用していたので
デュマスの墨絵風の油彩描法にはとてもひきつけられた。
筆致が快い。50号程度で大き過ぎないし、ストレートに人間だけを描き、写真に題材を得ているのも共感できた。
また描きたくなってくる。
公募展では滅多にこんな気分になれない。良い物を見た。
冷たく晴れ渡った瀬戸大橋からの眺望もGOOD!

喪中なので東福寺へ墓参りに。
京都駅の人ごみに圧倒されたが、待ち合わせた長男が言うには東京は一桁違うとのこと。
超異常ですな。
誰も新年には訪れまいという想像は見事に外れて、結構参拝者が多い。雑踏の稲荷よりはるかに賢明な選択ではあるが、ちょっと驚き。

18切符が一枚残ったので、帰りは一人で山陰線から播但線を経由して大寄り道を選ぶ。
和田山は学生時代にイベントの似顔絵バイトで仲間と訪れたことがある。あのときに描いた幼児がいま30歳半ばになっているはずだ。すごく下手な絵だったから処分されているといいのだが・・
姫路に近づくあたりで乗ってきた女の子集団は中国語を話している。
今回何度も車中で中国語を耳にしている。何故こんなにたくさん居るのか。
男子高校生が床に座り込んで見苦しい。車窓の風景も車両も魅力が無い。

岡山から向かいの席に乗ってきた若者が親子連れが並んで座れるようにと、俺の側に移るという気配りをしたので、まだまだ今どきの人も捨てたものじゃないなと感心したら、その彼は通路反対側の4人連れと中国語で話し始めた。
こぎれいな身なりでビデオカメラを取り捲っている女の子など見ていると台湾からの観光客かとも思えたが、グループのほとんどが福山の製鉄所が見える駅で降りていったので、声をかけて尋ねてみたら、彼らは中国人で浙江省から働きに来ているという。
まだ20歳前の若い人ばかりだ。
中国製品が溢れ、留学生も多いけど、働きに来ている人もたくさんいるのだ。

その青年と友人は尾道で降りたので、おそらく向島の造船所あたりで働いているのだろう。
グローバル化というものの現実。それほど言葉での応対が必要でない工業分野だったら外国人でも充分に働ける。給料も少なくて済むし、なかには優秀な人材も居るとなれば日本人にはサービス関係の仕事しか残らない。
各停電車で旅をするといろんな人たちの会話を漏れ聞くことができて得る所が多い。
今回もたくさんの情報を得たはずで、その多くはこれからじわじわと染み出てくるだろう。
そしてまた広島の遠さも実感した。この距離によって守られていることも少なくないな。
それにしても、日本経済は過剰な人口密度の上でしか成立できないのだろうか?