桃源郷

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20年前までは、あちこちに「桃源郷」と言えるものが少なからずあったように思える。
「貧しかったけれど自足できていた時代」なんていうと昨今の昭和レトロだが、しみじみと秋の日差しの移ろいを眺め過ごせるような空間が、昔にはあって今は失われたような気がするのは、この頃の忙しさのせいか?
でも戦争中はそのような「桃源郷」からも兵士として若者が狩り出されたことだろうし、その前には食べるものにも事欠くような体験もあっただろう。40年ほど前の一瞬の安定期だったのかもしれないし、「桃源郷」は常に郷愁の中にしか存在しないのかもしれない。
それでも、何かが、やはり、殺伐とした未来に向けて急速に失われつつあることは確かだ。