雪舟

最近、何事にも消極的になっているが、今回の京都行きも、面倒だな行きたくないなと言うモードだった。だから国立博物館で開いたばかりの雪舟展も半ば義務的に出かけたのだけど、第1室でガーンと来た。清新で伸びやかな筆致、強いコントラスト。水墨画に在りがちな形式的、観念的な硬さが無い。

室町時代禅宗に付随した水墨画は先端的なアートだった。本場の中国で学んだ雪舟はその技を移入しただけでなく日本の風光を描いた。

その絵から「自分の眼で見て描いたんだな」と伝わる。そのライブな筆づかいが快い。

雪舟等伯が続くが次第に硬直化して行き、活きいきした風景画は広重まで待たねばならない。

今回の展示では因襲化した水墨の見直しも試みられていて、久能山から見た富士が何点か並ぶ。

江戸末期の画家、蕭白の技巧には圧倒された。

 

戦前まで絵を学ぶことは模写だった。自由画の流れに沈んでしまったが、時代の流行を模写するようになっただけだ。音楽学習と同じ事は少なくない。真似るは学ぶ事だと言われるように、発見や理解にとても有効だ。

という事で、帰宅後、早速に描いてみた。