WORK16

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1995 「Sampling & Enclosing」アクリル絵の具 インク 182x227cm

夏にイタリアを旅行して(はじめての西欧)興奮していた。その高揚感で迷い無く一気に描いたもの。こういう体験は少ない。たいがいは悩んだり考えたりで、描いている時間よりも見つめている時間が長いものだ。

インクとアクリル淡彩のスケッチ風だが、スライド投影した画像をなぞっている。当時はフィルムカメラだったから手巻きのモノクロフィルムを自分で現像して、それをコピーフィルムに転写してスライドを作っていた。そんな手作業の長い時間で、イメージが絞り込まれる。このようにして画像を重ねていくのだからつまり映像コラージュである。この技法は学生時代に同級のH君や若手教員Tさんから習得したものだ。二人とも美術というより理系の人間だったな。

この技法で描いた学生時代の作品がこれ

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1976 絵画マンダラ アクリル+油彩 1940x112cm

こんな比較をしたのは初めてだけど、面白いもんだな。考えてしまう。

ま、こういう伏線があって広島に来てからも写真やコンピュータとの繋がりが続いていったが、寄り道が多すぎたかと少し悔やむ。