海北友松

宇治の往復で乗った電車の吊り広告で海北友松(かいほうゆうしょう)の展覧会が京都国立博物館で開かれていると知る。
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学生の時から知っていたけど、武家の生まれで60歳を過ぎてから緊張感に満ちた水墨を描いた人というイメージで、それほど多作ではなかったはずだからこじんまりした回顧展なのだろうと行ってみたら入館料金は1500円で入場待ち時間30分となっている。
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爽やかな天候で館内はツツジが満開、ゆっくりと並んでみようという気持ちにさせられる。
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ロダンの考える人とツツジ。全くのミスマッチだ。
このツツジという花、華やかで鮮やかだけどしみじみ心に響くものがない。最も絵になりにくい花かもしれない。
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20分ほどの待ち時間にこういう縫いぐるみキャラクターも登場して楽しませてくれる。
光琳の虎を原型にしてるそうだ。


海北友松は当時のあらゆる絵画技法に精通したテクニシャンでインテリだった。
襖絵や屏風画のような超ワイドな画面を使って、霧に霞んで何も見えない、見ようとしても何もないという世界を描き出していて、建仁寺妙心寺などの禅寺で重用されたのもむべなるかなと思われる。
生まれ育った状況が凄いの で、そちらに眼が引きつけられるが、多様な表現力を持った画家だったことが確認できる良い展覧会だった。