豊かで寂しい出雲

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とある会議がらみで松江に行ったドサクサにまぎれて、宍道湖周辺から出雲までのサイクリングを楽しんできた。

快晴の朝、大きなリュックに会議の衣装を詰め込んで、折りたたんだ自転車で宍道湖を西進する。まずは松江城。わたくしと同名の堀尾吉晴氏が400年前に創立。今に残る数少ない天守閣。
血族としては何の関係も無いが、同姓のよしみ、一応見ておく。
松江はとても奇麗な街で住みやすそうな所だけど、すごく人が少ない。
車はそこそこ走っているけれど、駅前から繁華街まで歩いている人はほとんどいないし、バスもガラガラだ。
東京から広島に戻った時の落差と同様のものを広島から来て松江に感じた。
毎年、大量に若年層が流出している。
高校生の何パーセントがこの地に残るのか?
島根には私立大学が無い。公立を出たとしても就職で県外に出る。

次なるポイントは佐太神社
地形図を見ていて、宍道湖から北へ日本海につながる佐陀川に興味を持ったからだ。
予想以上に平坦で出雲平野と同様に稲作向き。
古代に大勢力が生まれた理由が納得できる。
その頃、東京は猪が走り回る原野だったが・・・・
次の時代はどんな産業で何処が主役になるのだろうか。

宍道湖沿いの国道はなかばから自転車が走れるレーンが整備されている。
右手は一畑電鉄という単線のレールが並行しているが、滅多と列車は見られない。1時間に1本も走っていないのだ。
東風にも助けられて快調に走り、予定通りに一畑口駅に。ここでレールは筆記体の「i」の形に折り返すという、鉄道好きなら見過ごせないポイントだ。
ここから5kmほど奥に一畑薬師という寺が在って、電鉄の名前になっているぐらいだからそこそこのものかいなと気になっていたが、直前に調べたウェブサイトはかなり品の無いものだった。
その予感は見事に的中したのだが道中の田園、山道ともに新緑、山桜、ツツジなどで美しく、200mの標高差を歩きながら、身体に強めの負荷をかけてやることを近頃怠っているなを考えていた。もちろん、身体だけでなく頭にも。
下り道と追い風で疾走して湖岸に戻ると、そこからはサイクリングロードと名付けられた自転車専用道が斐伊川に沿って出雲まで続いている。
ただ、20km以上走って出会ったサイクリストは2人だけ。ウィークデイだけどこんな快晴の春で大根の花(らしきもの)が乱れ咲き、サギやヒバリ、そしてキジまでが川原に見られるというルートなのに。
あちこちに北風を防ぐための築地松を巡らした農家もあるので冬場はかなり厳しいかもしれない。

今回の自転車プジョーは街乗り用なので長距離は無理があり運動も十分なので出雲大社はあきらめ出雲市でサイクリングは終点にしておいしい出雲ソバを食べて帰還。
先月の吉野川に続いて斐伊川
The Riverと題して日本中の川を制覇するか。