極楽の形

京都南西部にある西国三十三カ所の札所、三室戸寺から宇治周辺を回ろうとJR宇治駅を降りた。
混雑を想定して予定していたルートを逆向きに変更したが、平等院は既に観光客で一杯だった。
イメージ 1
学生引率時にサボって昼寝などしていた藤棚が花盛り。周囲はカメラの列。
女房殿が久しく来ていないというので、まずはここ平等院からスタート。
イメージ 2
いつ来ても何度見ても飽きないのは、さすがです。
イメージ 3
塔の島から対岸を見る。喜撰山ダムからの放流水か、
イメージ 4
宇治上神社世界遺産。入り口に解説ボランティアのオッサンが立っていて事細かに説明してくれた。
平等院とほぼ同時期の建立で、方形と菱形の格子が美しい。

イメージ 5
この周辺に源氏物語の碑が幾つもあり、瀟洒ミュージアムも。
源融の別荘がこの辺りにあったそうだ。温暖なリゾートっていう感じだったのかもしれない。

イメージ 6
ブラブラ歩いて三室戸寺へ。ツツジ2万株、アジサイ1万、シャクナゲ2000を売り物にしている花の寺だけあって、人出も多い。
イメージ 7
ツツジに囲まれた茶店の床几でウドンの昼食。冷たい水がとてもおいしくて何杯も飲む。
ここからは京阪電車が近く、以前から機会を探っていた日野薬師、法界寺を目指す。
六地蔵駅からのバス便はとても少なくて、法事帰りのような年配男性に尋ねたら、由来から歴史まで丁寧に詳細に対応してくれた。どこかで校長先生をしていたに違いないと勝手に想像する。
イメージ 8
新興住宅地の中に取り残されたような地域にひっそりと在る法界寺は、訪れる人も少なく、今どき珍しい崩壊寸前のボロさで、古寺巡礼が書かれた当時を偲ばせる。昔はどこもこれぐらいに荒れ果てていたものだが。
イメージ 9
国宝阿弥陀堂。内部の阿弥陀、壁画、光背、四天柱の曼荼羅など見所いっぱい。
もっぱら親鸞上人が生育した土地としてアピールしているようだが、ずばり古寺で押すべきだろうな。
この地で方丈記が書かれている。
日野富子とか漬け物の日野菜とかでも知られる所、醍醐も近い。
この日に訪れた神社仏閣はほぼ同時期、11世紀に建立されている。
末法と言われた当時、京都南西部に極楽を連想させる何かがあったのだろう。