WORK 8

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Magician  12x10cm

美術科には版画で制作する教員が何人も居て、リトグラフシルクスクリーン、そして銅版画には国内最大級の大型プレス機もあって充実していた。

僕も学生時代に版画を経験しているから、学生に教えながら小品をたくさん作った。

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いずれも1990年頃の制作だろう。

教員やカリキュラムの変化の中で版画は忘れ去られて、3号館解体と同時に設備は廃棄されてしまったが、最低限のセットは密かにキープしている。

街の片隅で黙々と作業していた靴屋の爺さんみたいに、版画を作りながら老境を過ごすのも悪くない。コンピュータを続けていても先端の最後尾というポジションから抜けられないだろうし。

そうするなら京都に戻るべきかも。そんなことも考えなければならないな。

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昨日、最後の標準治療でベンダムスチンの点滴を受け、2時間後にゾワゾワ感に襲われた。いつものことだから気にもせず、帰り道でユニクロに寄ったら入り口で消毒液と体温測定器があり、額の測定で37.5度と出た。

「えっ、まさか」と再度の測定も数値は同じ。ゾワゾワだけでなく発熱もあったのか。

こんなところで化学治療の副作用を説明するのも何だし、店内は混み合っていたから「今日は遠慮しておきます。」と店を出た。

「しばらく体を冷ましてから測り直しましょう」と優しく対応してくれたけど、あれで警戒のブザーでも鳴ったりしていたら?と思うと怖い。

「染」のラベルを背中に貼られて、棒で突かれ石を投げられる。そういう事が歴史上で何度あったことか。(キリストだって処刑前はそんな目に会った。)

誰もがそういうリスクにさらされている。

それにしても「染」という字、汚染とか感染とか良い方では使われない。可哀想。