コートールド

東京に行ったのだから何か展示を見ておこうと幾つかを考えたが、女房の希望はコートールドで決まり。

通勤ラッシュが一段落する9時半ごろに大崎駅から上野に向かう。

まず荷物を預ける目的で科学博物館に寄り、少しは見ておこうと回ったら駆け足でも2時間が過ぎた。

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俺は先月も来たばかりだが1週間通っても全部を見られないほどの質と量だから、毎回驚かされ考えさせられる。

原生動物が進化していく系統が青い光で表示され壁面の標本に辿り着くという美しい展示。ルートの一つを辿っていくと人間に行き着くが、そこにはカメラがセットされていて自分たちが映る。

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いろんな暮らしがあるものだと旅をするごとに感じ入るものだが、地球にはすごくたくさんの生命の形があって、命をつなごうと懸命に生きているというシンプルな事実にハッとさせられる。

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コートールド。ずっとコートルードだと思っていた。現地ではどう発音しているのかな。

1997年、ダイアナ妃が亡くなったとき、我々はロンドンに居た。

重厚な建築が並ぶ中心部で「え?ここが美術館?」と驚くほどささやかで目立たない入り口。こじんまりしたギャラリーだが、画集や教科書で見た作品が並ぶ上質なコレクション。ナショナルギャラリーなどで大作に圧倒された後では、胸焼けが引いたようにホッとさせられる。その爽やかさが懐かしくて都美術館に入った。

いきなりセザンヌで色彩が鮮やか。こんな作品があったなと20年以上も前の記憶が蘇るがスケール感が違う。どれももっと大きかったように感じる。

平日の午後とはいえ、上野の都美術館だから観客は多い。コートールドはがらんとして静かな小さな美術館だったから、見え方が違うのは当然だろう。

それにしてもポスターになっているマネの絵は半分ぐらいに縮んだように思えた。

ま、印象派というぐらいだからね。

ルノワールの風景画も良かった。夏の光に虫の声が聞こえた。