まず、広島日展会。
日展の洋画では出品者が東京に次いで多いのが広島だ。
高品質で堅実な作品が並ぶがハッとするような驚きや清新な息吹は皆無である。
いまさらという気もするが寄ってみる。
勢いでざざっと描いてる。
音楽一家に生まれて自転車に熱を上げていたから、若い時は自転車レースやコンサートで路銀を稼いでいた。
成功してからは車をぶっ飛ばしていたようで、激しい絵具のタッチはそのスピード感からきているらしい。
鬱屈とした心情の噴出みたいにとらえていたが、大きな違いだ。
小説や評論も書きながらパリ郊外でかっこよく生きた。
極東の田舎町で印象派の画家たちが否定したアカデミックなスタイルで固定したモチーフが描かれている。
我々にしたって北京やバンコックで現地の洋画を見たいとは思わないから推して知るべしだろう。
この勢いで県立美術館の「ブータン、幸せの形」へ。
民芸とくに織物が中心で政府の観光局の肝いりという内容だ。
当然にブータンの現代美術というものはない。
国民の97%が幸福と感じているらしい。
2時間で3本も展示を見た。バイクの素早さと無料パスのおかげだ。そして広島の凝縮度。
これにまだ現代美術館もある。なぜこれほど美術が盛んなのか?
誰も疑問に思っていないのも不思議。