老人は早く目覚める。しかし銀座で早起きしても仕方ない。美術館も早くて10時だ。
そこで以前から気になっていた蔵作りの町並みで知られる川越を目指した。
「ほう!」と息が漏れる重厚な建物が道路の両側に並ぶ。
「なかなかのもんだな」と歩いて行くと裏通りが貧弱で町が面になっていなくて線的。
町に奥行きがなくて、蔵造りの屋根の法外な厚みも必要以上に虚勢をはったように感じられてくる。
(実際に棟を空洞化するなど軽量化の工夫がされていて、資料館で展示されている。)
大阪の富田林、滋賀の近江八幡・・自分が建築単体よりも空間を求めていたことを意識させられた。
新宿ICCで息子が3月までの長期展示をしていた。
メディアアートの作家10人ほどがユニークな作品を並べている。独自性がなければ存在価値のない世界で、先生と似たようなものを作って出発する伝統芸とはFar From
昼食を天王洲アイルのオシャレなレストランで息子夫婦におごってもらう。
周りの風景だけでなくメニューも味付けも日本離れしている。
モノレールから見えたこの付近は運河と倉庫だけの殺風景な印象だったが、アートによる再開発が(公的なものでなく寺田倉庫という私企業)進んでいて、
巨大な壁画やモダンなリノベーションが見られる。
何故こんなところに?と意外な日本画の画材店Pigment
20m以上ありそうな壁面いっぱいに並んだ顔料。
あいにく改装中だったので詳細はこちらで
このゾーンに息子の作業場があると聞いていたが、想像していたのはプレハブの掘建て小屋。
実際は寺田倉庫のひとつ
天井高5mはあって床面積は20畳ぐらいか。そこを息子は2階建てに改装して使っている。
日本画家、ガラス作家などが入居していて、
上の階に最近幾つかの商業ギャラリーがオープンした。
全くのアートビルだ。