新県美展

学生作品を県立美術館に持って行こうと大学に行ったら、9時前だというのに二人の学生が作業していた。昨夜に完成できなかったそうだが、今年の2年生は真面目だなあ、そして真剣だ。
彼らの完成を待って、ほぼ全員の作品(映像だから紙袋に入ってしまう)を持って美術館へ。
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11時過ぎで混んでるかと心配したが、路上の警備員にすっと搬入口に誘導される。
目の前には屈強な運送関係者らしき人々が並んでいる。大型の彫刻なんかが運び込まれるなんてことはあり得ないのだが・・・
工芸、書道、写真、洋画、日本画、彫刻と机が並び、それぞれに二人の係員が座っている。
総勢30人近いスタッフが控える受付に客はパラパラと数名が訪れる程度。60歳以上の方ばかりだ。
今年から新設された映像は一番右端だ。みんな暇そう。
ちょうど客足の少ない時間帯だったのかもしれない。
まず、左端の会計で出品料金のチェックがあるが,あまり手際がよろしくない。
映像はひとつひとつ最後までチェックされるのでとても時間がかかる。
途中からロビーの図書室に行って終了を待った。
雨に濡れた縮景園が広いガラス壁の向こうに見える。
世界の美術雑誌が揃えてあり、ほとんど読まれた形跡はない。
一時のように時代をリードする流行、トレンドが見えなくなっているが、それでもなにか目立ったものがあるのかと幾つかを拾い読みする。
以前はけっこう頻繁にトレンドを追っていたけど、この6,7年は映像にシフトしたこともあって関心が無くなっていた。
それにグローバリズムとインターネットが、マスコミや評論家による情報提供を越えてしまった。
作品自体から読み取れない理念で価値づけられているとしか思えない「欧米流の現代美術」はほとんど姿を消して、アジアの現代美術はとてもわかりやすくなっている。
つまり欧米の流行を模倣した作品を追従者たる評論家が正当化するという、イモ的な構図が消えて、ゆっくり自分で考えた作品が多くなってきた。良いことである。
そんなことを考えていたら、係の方が図書室まで手続きの終了を知らせに来てくれた。
車を外に出すまで丁重な対応で、無事搬入が終わった。
さて、どんな結果になるやら、お楽しみです。