復習と雑感

倉敷の大原美術館で印象に残ったのは安井曾太郎の外房風景だった。

何度も訪れているこの美術館でこれまで意識したこともない作品だが、規格外の超ワイドで海がモチーフになっているのだから、今の俺が気になるのは当然だろう。

半世紀前の備前は活気と好景気で盛り上がっていたのじゃないかな。

宿屋の若女将と夕食の食器を見ながら雑談した時に、焼き物の肌に風景〜絵が見えると俺が言ったら、備前焼を評価するキーワードが「景色」なのだと教えてくれた。

凋落していた備前焼きが再評価されるのが1950年代だ。ちょうど抽象絵画の全盛期に当たる。なるほどなあ。その時期にかなりの財がこの地に流れ込んだのか。

でも、これから先は厳しいな。

長岡天神名物のキリシマツツジ。朝早くに散歩した時に撮影したので、横光線の強い明暗になっている。たくさんの人がカメラを構えていたが魅力的で難しいモチーフだ。

本願寺は今年、親鸞聖人生誕850周年で大きな法要が続けられている。垂れ幕や旗も新調されて鮮やかだ。青紫に緑。ブリティッシュ航空みたいだ。

西本願寺の垂れ幕

1kmも離れていない東本願寺。似てるけど少し違う。

建築では東本願寺に軍配。バロック世界を感じる。

何十台という観光バスが並ぶ。岐阜、名古屋、栃木、茨城など。東西に分かれた経緯なども初めて知る。

どういう意味なんだろう?こんなのが寺の前に「感謝の心で南無阿弥陀仏」というものと並んで置いてある。カードの裏表に「大切な人」と「あんな奴」をプリントして配ればいいのに。

帰路は空いている中国道を選んだ。1時間おきに休憩を取る。新見を過ぎた神郷で備後落合に向かう列車を見られた。1日に数本というレアなチャンス。

昨年11月は紅葉を眺めながら走った。今回は新緑だが、断続的に時雨れる。車と鉄道、どちらが楽か経済的か、それぞれに長短あり。