湿度

蒸し暑い。少し動いただけでビッショリの汗。熱帯の国だ。

土日のテニスで大汗をかき、息子が届けてくれた地ビールで快楽に浸る。

七十過ぎの老夫婦がこんな境地を味わえるのは有難いことだが、案外こんなことが普通になって来ているのかもしれない。

針金造形はドンドン進化して位相幾何学的な形になってきて、さてこれに面を貼るのをどうしたことか?紙以外に適切な素材は?と思案中。

今月のカレンダーにやっと描いた我が家の入口階段の植物群。アボガド、アカンサス、ツタなどが繁茂。真ん中の壺から紐を伝った水が供給されている。

 

何処だったか「官能小説」という言葉に触れて、そういえば宇能鴻一郎という作家が居たなと検索して図書館から借りた。

初期の短編集を読んでびっくり。低俗大衆小説とは異次元の卓越した文章表現。性的なテーマは通底しているが、リアルに美しい映像が浮かぶほどの描写力。

なるほど、この筆力で官能小説の頂点に君臨していたのか。

宇能鴻一郎が活躍していた頃の日本は、若く活力に満ちていた。エロ小説の需要も多く、ロマンポルノ映画から優れた監督が育った。隔世の感あり。

それと「ナチス絵画の謎」という本も借りている。

キュビズム、シュール、クレーやカンディンスキーなどを「頽廃芸術展」に集めて抑圧したことはあちこちに書かれているが、ナチスが肯定した美術、絵画の情報は皆無だった。ミュンヘンには常時展示されているそうだが、極東の日本ではこういうアンバランスが多い。この本も昨年に出されたばかりだ。

健全な芸術、大衆に受容される分かりやすい表現、そういう言葉でナチス的な美術が擁護され、現実の直視と認識の拡大を目指す行動が抑圧される。現在、日本各地で見られることだ。この先も楽観はできない。