針金と紙の工作と90分ほどの運動と新聞紙への習字で、毎日がスルスルと過ぎて行く。

も少しは所在無く退屈を感じていたいものだが、時は待ってくれない。

梅雨の晴れ間に街に出た。

バイクか自転車か電車か、と迷った末に自転車を選ぶ。

道中で夏の花を見ながら聞き逃し配信でじっくり音楽を聴きたいと考えた。

映像ライブラリーの上映開始が迫っていたから、向かい風の中をかなり早く走る。

元の職場を眺めた時、何の感慨も抱かなかった。それは少し寂しい。愛情がすっかり冷めたみたいで。

映画は瀬戸内を舞台にした社会派犯罪劇で、乙羽信子が裸身を露わにして熱演していたが、俺の興味は60年代の尾道や広島の風景だった。島民の貧困を底辺に新藤兼人の脚本が成立しているのだが、極端すぎる設定には納得できなかった。

この施設も近々に壊されて駅前に移転する。50年しか持たない建築は間違っている。

そのあとに立ち寄った図書館でも老人の姿ばかり。世の中、どうなってるんだ?と言いたくなる。

隣のひろしま美術館で「コローとバルビゾン派」を見る。

今時こんな古くさいのを見ても仕方ないけどなと入ってみたら、空と水と樹々の風景画ばかりで、俺の好きな主題を表現が並ぶ。ブーダン、ドービニー、モネ。いいねえ。

田舎の都会、広島で年寄りじみた展示に共感してるなんて馬鹿だと感じると同時に、これが本音だから良いじゃないか、広島がピッタリしてるかとも思う。

都会に行って現代の作品に触れることは欠かさず続けてきた。来週も京都でブライアン・イーノ展を見るだろう。

 

昼食は日赤近くの自然食品店でウドンを。イリコ、昆布、醤油など素材が明記されて控えめな味付け。ちょっと腹具合が悪かったのでありがたい。

御幸橋のギャラリーで津川奈菜さんの展示を見る。素敵なDMを見て是非見にいきたいをと思っていた。軽快なドローイング。

こういう雰囲気のアニメーションを考えていたのでとても刺激になった。

 

夏日のなかの30数キロのサイクリング。時々はやるべきだね。