夕食後、猫がコタツから出てこないので、女房が抱きかかえて皿に口をつけさせたが水も飲まない。7時過ぎ、女房の膝の上で足が引きつったように伸びて、それっきり動かなくなった。交互に抱きかかえて様子を見る。
風呂から上がると女房が泣いていた。ノエルの体が冷たい。
20年にもう少しで届くところだった。
家の中を好きなように使って毛だらけにしてくれた。全く愛想の無い気ままな猫。最後だけ膝の上で抱かれていた。
今夜はいつものようにベッドに置いて一緒に寝てやる。
動物の火葬は段ボール以外は禁止とあったので、慌てて猫の棺桶を作る。
美術のルーツと言われる葬送の儀式だが、悲しみを鎮める効果はある。