研究室の床に敷かれているPタイルが、また剥がれ出した。
ここに転居してきたときもたくさん張り替えたのだけどな。
この校舎も近々に解体予定だから修理を頼んでも歓迎されない。交渉するのも面倒だから材料だけお願いして自分でやってしまう。
たっぷり接着剤を塗りこめて新しいPタイルを置いていく。市松模様にしたり配置を考えるのも楽しい。
引き戸の滑車を取り替えて雑音を消したり、仕切板を作ったり、テーブルも幾つか作ったな。美術だから細々教えることはない。制作のために実習環境を整えることが仕事だと思っている。だから教員でなくて用務員になれば良かったのだろう。
昔、本物の用務員さんの奥さんに水道の故障を頼まれたことがあった。修理工だと思われたのだ。