レコードを聴く

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部屋の整理に終始しているこの頃だが、棚の隅に隠れていたLPレコードを持ち帰った。
パソコンの保存メディアほどではないけれど音楽もMDからCDなどへとフォーマットを変えてきた。
50年近くも前のレコードだが音は素晴らしい。
そりゃそうだろう、プレーヤからアンプに送られた信号がしっかりしたスピーカーから流れ出ているのだから。最近はパソコンやスマホからイヤフォンや小さな内臓スピーカばかりで音楽を聴いている。
ジャケットデザインを眺めながらナイロン袋から取り出し、さらに中の袋からレコードをそっと手に持って、ホコリを拭い慎重に針を落としてアンプのボリュームを上げる。
茶で言えば自販機のペットボトルと茶室のお点前みたいな差が生まれている。

音楽はそう簡単に手に入るものではなかった。文学や美術も同様に書店でじっくり品定めしながら一月に一回購入できるかどうかの貴重品だった。
ポケットのスマホから検索して「ああ、こういうものか」と情報を得る現在。持ち上げるのも難しいほど重いこれらのレコードも指先に乗るカード一枚に収まってしまう。
軽くなったと同じほど有り難さも減少して、過剰な崇拝が無くなったのは良いことだけど。