観光公害

京都で俺の知っている喫茶店といえばイノダか六曜社だったから、所用で人に合う場所をイノダと指定した。朝のイノダは周辺の商店主や勤め人が一息ついたりサボったりして、独特の柔らかい大人の世界といった空気があり、ひさびさにそれも味わってみたかった。
昨夜からの激しい雨が続いていたのでバスに乗ると、次々と大きな荷物を持った旅行者が乗り込んで来て、四条高倉で降りるのもやっとだった。ほとんどが外国人だ。
堺町を上がって三条に向かう途中も外国人だらけ。外国を旅行しているように感じる。
蛸薬師辺りで悪い予感がしてくる。ひょっとしてイノダがいっぱいかも?
六角通から傘を差した行列が見える。後尾の人に聞くと入店を待っているとのこと。なんてことだ!
列の前方で並んでいた知り合いに声をかけ、もっとゆっくりできる店に行きましょうと提案。
開いたばかりの京都文化博物館内の前田珈琲で、のんびり2時間。
その後、烏丸通りを四条へと下がったら、観光バスから続々と降りてくる中国人観光客で前に進めない。
これが話題の観光公害なのか。確かに市民生活が壊されている。
昨日、自転車で西陣から北野を回った時は「やっぱり京都はいいなあ」と感じたのだが、メジャーな観光地は酷いことになっている。
いけませんな。