生きた証し

シュルレアリスムの会場では京都の平安、鎌倉、江戸の障壁画や絵巻が映像で並列に投影されていて、鎌倉時代では一遍上人の踊り念仏がピックアップされていた。

設営された舞台の下で子供達が戯れ、周囲は公家の牛車に囲まれている。スターを迎えて盛り上がるライブ会場。その場所が堀川七條。俺が生まれ育った所で800年前にこんなにホットなイベントがあったのだ。

この地域は堀川を使った物資の運搬や、仏像を作る職人が集まっていたり、台所門といわれて市が立った所で、1200年の歴史があるけれど、はっきりと図像に描かれているとそれがリアルに感じられて来る。

日本のあらゆる地方でも800年の歴史があっただろう。しかし劇的な出来事が起こり、それが描かれて残っている所は極めて少ない。

言葉や絵の力、時代を生きた人々の証し。

 

ループマシーンやエフェクターを出してきて電気を通す。10年、いやもっと長い間、触っていなかった。内蔵していた電池にカビが生え、接続部からはガリガリと雑音が出て過ぎ去った時間を感じさせる。

「もう一度やってみたい」と手を出したエレキだが、電気製品の寿命は短い。

ちょっと悲しくなるけれど、遊んでいると久々に音楽を作りたくなってきた。

気楽なスケッチみたいに曲を作ってみようかな。