昨夕、近隣の友人に招待されて弦楽二十重奏のコンサートに行った。
北欧特集ということでグリーグやシベリウスの他、スヴェンセン、ヴィレーンといった馴染みのない作曲家の作品が弦楽に編曲されて演奏された。
司会進行と指揮を務めた林直之さんはスマートで軽妙、笑いを取れる。クラシック界には稀有なキャラクターだ。経営的窮状をはっきり訴えるところにも共感できる。
俺は吹奏よりも弦楽が、オーケストラよりは小編成が好きだ。
それもあって楽しく聴けたのだが、北欧の作曲家からは冷涼な空気が感じられて、信州の冷気を思い出しながら、重層する弦楽の響きを楽しんだ。
久々にスポーツウェア以外の服装で革の靴を履いた。これも良かったな。
ところで
旅記録が中断しているが、今回の目的は息子の転居先を訪ねることと孫の誕生日を祝う事だった。
200坪の敷地に40畳近い作業場でアトリエとしては申し分ない。しかし700mの標高で冬場の暖房には苦心している。天井は透明素材で着脱可能。奥さん主導のリフォーム進行中。先月は次男一家5人が訪れている。広い寝室でのんびり。
新幹線駅からも遠くなくて、ショッピングも至便。
いい別荘ができたっていう感じだ。
白糸の滝。この名を持つ滝は日本に幾つも、広島に二つもあるそうだが、ここは軽井沢。浅間山の大きさが生み出した特異な地形だ。
浅間山の広大な裾野に別荘地が拡がっている。息子宅から車で30分弱。近代文学に頻出する地名だけに今回是非とも訪れたい所だったが、息子たちは週末に大渋滞する俗っぽくてつまらない所と感じているようだ。
確かに原宿みたい。
名の知れたレストランの一番人気の席でランチ。涼しく美味を楽しむ。
旧軽井沢の中心にあるテニスコート。上皇さまと美智子さんが出会った伝説のコートで、ここでは現天皇もプレーしていてテニスファンとしては見逃せない。
でも、町全体は俗化して終わった感が強くて、もう文化の舞台ではない。
このあと中軽井沢のセゾン美術館へ。
ティンゲリーの動く彫刻など60年代のアートが中心。
浅間山の北側も北軽井沢と命名され、裾野はすべて軽井沢の名が付いて別荘地になっている。東京の1区みたいだ。
別荘を持っている知人は何人か居て、そこに何度か滞在したことはある。現役時代に得られる休暇は多くないし家庭環境も変化していくから、思い描いたような時間が過ごせたかどうか?行くのはけっこう面倒だし、退屈だった。
俺は自然よりも街中の混沌を好むから何とも言えないが、俺にとっては京都の実家が別荘なのかもしれない。