崩壊

伴から長楽寺の境目に安川に剥られた急峻な崖があり、自転車一台がやっと通れるほどの狭い道が付いている。

朝夕は通学の高校生で、昼間は散歩の老人で行き来が多い。10mほど下の川には鷺や鵜が遊び、緋鯉も泳いでいて近隣には少ない風光のポイントだ。

そこの大木2本が倒れ、通行不能になった。

撤去して補修するにはかなりの時間がかかりそうだが、この道の前後も同様の危険があるから、廃道になる可能性もある。

30年以上も通勤で通っていた。いまでもここを通るために自転車に乗り、西に行かずに東方面の店を選ぶ。

「昔から変わらないもの」なんて無いけれど、せめて100年ぐらいは続かないと「落ち着いた生活環境」は得られない。

都市近郊に住んでそんなものを求めることが間違っているのだけど、歯医者に向かう途上でこの光景を見たから、無常感が増幅されたのかもしれない。