夢は破れて

帰ろうとする朝、曇って涼しいので弘法さん(東寺の市)に母も一緒に。

先月、息子一家と一緒にと計画した時はドタキャンされたが、あの日は日曜ですごい人出だったから車椅子は難しかっただろう。

ちょうど護摩木を供養する9時だったので、しっかり祈願。

ぴったり1時間で家に戻り、途中で買った水無月を食べた。

帰りの新幹線はハローキティ号。

広島駅からの可部線で網棚に載せた荷物を忘れ、すぐに戻ったが電車は発車。車掌に向かって「次の緑井で!」と声をかけた。歩いて10数分なので雨の中を駅に向かう。

その途中、歩きながら考えた事だが、車掌の顔が電柱でも見るように無機質なものだったから思ったようにはいかないかも・・・・

まさにその通りで、折り返して広島に戻る列車なのに、車内のチェックもしていなくて駅員は何も知らない。点検と保管は広島駅なのでそちらで問い合わせしてくれと言う。

怒鳴りつけたくなったが、駅員が可哀想に思えてきた。

広島から京都に向かう時も在来線が遅れていて、その状況を駅に問い合わせようとしても、個々の駅の電話は無くなっていて全国コールセンターへのアクセスしかないことに呆れた。宝塚線脱線事故や年頭、山科駅の長時間閉じ込めなど「どうなってるんだ?」という疑問が続いていたが、個人が主体的に判断して対応することが一切できない、まさに非人間的な職場になっている。人間は安価なロボットに成り下がった。

子供の時から鉄道が好きだった。機関士になりたいと思っていた。

「夢の超特急」に失望して俺の夢は破れた。あの情けない顔と無機質な運転席。

半世紀も前のことになるが指宿あたりの国鉄路線で、降り忘れた老女のために列車が停止、バックして戻ったのを目の当たりにして驚いたことがある。そんなことも思い出しながら、日本が失ったものの大きさを実感していた。