アルバム八月三日

今日の目的地は彦根だ。

8時ごろに家を出て駅に向かう。浅黒い肌の外国人がホテルの裏口に続々と入っていく。ここで働いているのか、前から疑問だった。黒ズボン白シャツの「サラリーマン」がいっぱい。こんな世界が連綿と続いていたのか。自分が過ごしてきた生活スタイルがかなり特殊なものだったんだな。新鮮な驚き。この歳になって。

女房は孫4人を連れて長岡京からJRに乗る。

通勤時間帯なので駅までのバス便やチケット購入など、スムーズにはいかないと危惧した通り、一本遅れの列車になったと連絡が入る。次の彦根行きをチェックして、6分後に到着する列車を待つが、どのホームに着くのかの確認を忘れていた。慌てて調べる。陸橋を登ったところで合流、無事に乗り換えを済ませた。こういったことがすべて、地方都市郊外に住む俺とは全然違うスピードで動いている。

彦根は静かな街だ。駅前の案内所で情報を入手して、セブンで昼食を購入しておく。店員のオバサンから「いいねえ、孫と一緒の旅行なんてほんとに夏休みですね」と羨望に満ちた声がかかる。「いやいや結構大変なんですよ」と返す。

実際に移動、食事、トイレなど添乗員みたいなもので気を配るから、引率と言ってもいいぐらいだ。

品のある落ち着いた城。この季節だからか人は少ない。関西と名古屋の中間点でアクセス面でも不利だし、世界遺産登録の運動中だけど難しそう。

可愛い天守だが内部は創建当初の木組みが見られて、松江城を思い出す。急峻な階段を登った天守からは琵琶湖が一望できる。

米作中心の時代でこの地域が持っていた優位性を感じた。自転車を借りて城下町を巡ったら面白かっただろう。しかし、ここも暑い。遮光されてミストが撒かれる休憩所で昼食と休息。これは有難かった。

駅に戻ったらもう十分、へとへとだった。

帰りは高速の新快速。広島組は新大阪まで乗って、のぞみで広島へ帰り、長岡京組は京都駅でお母さんがお迎え。楽しい一日でした。