少子化対策

40年近くも前のことだ。広報委員として島根県を高校訪問していた時に、学内廊下にずらりと貼り出されている「田中一郎くん、大阪大学法学部合格」という掲示を見て驚いた。案内してくれた教員は「島根には大手の進学塾が無いので高校がそこまで指導しているのです。」と自慢げに話してくれた。合格の札は東大を頂点とする序列に沿って並んでいて、地元の島根大学はほとんど左端。

信じられない!俺の地元、京都とは別世界だ。そして、こんな事を続けていたらこの地域は不毛の荒野になると心配になった。

地方の衰退や枯渇が話題になるたびに、この光景を思い出す。

熱心に指導していた先生方は本気でその「成果」を自慢していたが、軍国教育を推進した人達も同様に使命を盲信していたのだろう。

少子化対策のニュースを見て、こんな事を思い出した。

日本の国土から人口は半分でもいい。下手に国力を持たなくてもいい。穏やかにのんびり暮らせる国であって欲しい。いろんな差別の撤廃が言われてるけど、ちょっとオツムが弱くて貧乏な人が(国民の大多数だと思うけど)劣等感を持たずに楽しく暮らせる事が格差と少子化対策の基盤だろう。学校制度はそれに逆行している。まずは指導よりも「まあ、ええやないか」と笑って流すことだね。