検査と診断

日赤へのアクセスを車か電車かで迷う。昼前には冷たい雨になるという予報に車を選択。混みあう時間帯なのに空いていた。都心の公園はまだ紅葉が残る。

電車だったら俺もこの歩道を歩いていた。

パーキングは5階まで登った。抽象的な光景。病院は特に無機的にデザインされていると感じる。

検査が終わった時には雨が降り出していたので、院内のレストランでモーニングサービスで朝食。壁にシャガールの版画。まがい物かと思うほど色が浅くて安っぽい。

結果を待つまで小さな図書室で過ごす。ほとんど利用されていないからのんびりできた。世界の書店を取り上げた本を読む。あまり調べずに行き当たりで取材したようなセレクトだが、オーナーや書店員のコメントをたくさん載せているのが良い。

ネット販売に対抗するために打ち出す個性、これは面白い。

検査結果は予想通りに、ゆっくりした進行が確認された。次は3月の下旬だ。

身体の中に死を持つことについてリルケが書いていた。

年齢を重ねるほどにそれは明瞭な形になってくる。それを意識しないことが健康なのだとする愚蒙への警告として、診断結果を受け取っておこう。