読書の秋

急に冷たくなった。とても川の水に浸かってられないから銀杏採集もおしまい。

防風ジャケットなしではバイクも乗れない。

扇風機を片付けヒーターを出し、ついでにコタツも。

これに大きなクッションをセットすれば完璧な読書モードだ。(猫が居ないけど)

いま借りている本の一覧。昨日借りた「ピアニストという蛮族がいる」は久々のヒット、一気に読了。ピアノの練習をしながら、なぜ百年以上も前の西欧音楽を弾いたりするのかな?と疑問を感じ、そういえば俺は洋画を学んで、それを教える仕事をしていたんだな、とか、夏目漱石がロンドンで神経症に悩んだことなど考えながら、以前にラジオで紹介されていたこの本を思い出して取り寄せた。

著名なピアニストのエピソードも面白いけれど、何と言っても創立されたばかりの音楽学校で教授を務めた女性たちの苦闘、特に久野久(くのひさ)の悲劇に西欧文化受容を考えさせられる。我々世代もその末端に位置していて、その葛藤の残滓をポケットの隅に少なからず持っている。

 

この本で眼が冴えてしまったので「つげ義春作品集」を開くと、これもまたやめられない。貧しい日本の片隅で悶々として生きる無用の人々。

この暗さには笑ってしまう。

大学の授業でも必ず紹介していた「ねじ式」。世紀の傑作、戦後日本美術のトップ。

ほんとうに素晴らしい。

 

今日は全国旅行支援に踊らされて予約を試みるもネットはアクセス不能、旅行会社の窓口は予約でふさがっている。お陰でどんな仕組みで国が「民間」を補助しているのか少しは理解できた。それも我々の金を使っていることを忘れないでおきたい。