卒業制作展

卒業制作展を省略して卒展と呼んでいる。

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最近ハマっている漢字のルーツでは、卒は死者の衣を綴じること。展は工の形の呪具を死者の襟元に4つ置く。共に悪霊を封じる祈りで、死と霊に関わる言葉。

すごいなあ。

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朝から雨でいつものテニスは中止だった。市立大学の卒展を思い出してHPを見ると本日でおしまい。すぐに出かける。

我が家から車で10分少々、とても近い。

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今回のベストはこれ。かなり大胆な塗りでパワーを発散していた。

洋画はすごく変化していて以前のような産毛まで描くような細密描写はほとんど無い。

教授が変わったからだろうが、そんなところが地方都市の悲しさだ。

教えてもらう時点で終わってる。教員を真似るなんて考えられない。

研究室のネームプレートに以前、息子と一緒に展示していた人の名前があった。

その時に見たのはハイテクな作品だったが、ここで油絵の准教授?ま、悪いことではありませんが

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こんなボケも好みだ。

絵画では日本画の模写で会場当番の学生から興味深い話をたくさん聞けた。

図録に書いたように実家の向かいは本願寺の絵表所だったから、模写に関しては知識があるが、美濃紙への転写に残像現象を使うとか、色見本の厳密さ、汚れシミ折れ目までの描写による再現など、のめりこんだ会話ができた。地獄絵の模写だったから、やっぱり地獄はいいモチーフだよねと投合。

東京や京都の卒展を見て回っていた10数年前が蘇る。

その頃、息子が東京工芸大学多摩美で働いていたので、いろいろと便宜を図ってもらったものだ。何かにつけ幸運だったなと回顧する。

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この作品も良かったな。作品を壊すというコンセプトが活かされていたけど、これからの発展性では懸念が広がる。

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これもビックリだったな。前輪の駆動が画期的なアイデアで、なおかつ取り外してデリバリーサービスに使える。オリジナルのアイデアだったら金賞ものだ。

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こういうデザイン系の展示が美大の展示では無数に並ぶのだが、数点しかないのがとても寂しい。観客が二桁以上も違う。

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広い校舎のあちこちに展示が散在しているから、かなりの距離を歩かねばならない。ゆっくり見たけど2時間20分かかった。これはとても不親切。大学へのアクセスも不便なだけに配慮すべきだろう。

それはともかく、こんな近くで本格的な作品展示が見られた。有難いことだ。そしてとても楽しかった。