入院

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スーツケースとバッグに荷物を詰め込んで病院へ。
このまま空港に行って見知らぬ国へ、できれば杉花粉の飛ばないところに旅に出たとしてもおかしくない心身の状態なのに、わざわざ入院に向かう。一昔前では考えられなかったことだろう。
リンパと同様にウィルスも見えない。自覚症状もないがGOTなどの検査結果で異常値になっている。放置すると肝硬変から肝臓ガンに進行する可能性が高いから、インターフェロンなどでやっつける。
見えない、知覚できない世界で行われる治療に自分は蚊帳の外。
すべて嘘でした。間違いでした。ということも十分あり得るわけで、ここでは検査データの数値だけにリアリティがある。
だから日赤病院で触診を受けたことはない。最初は冷淡な印象を持ったが、当然のことなのだ。何か変だな?というレベルは掛かり付けの医師に任されている。従来、眼と手が受け持っていたパートは、CT、PETやMRIといった電子機器が担当する。
ここまできたら診断もコンピュータに任せてもいいのではないか、という提案もされているようだ。実際、超過重な職務で医師は目前のデータ処理だけで精一杯だ。患者一人一人の病歴など、トータルな情報を把握できていない。つまり直観的な判断やアドバイスが出来ないのだから、コンピュータにでも十分なのだ。
おまけに緊急の症状ではないから、幾つかの選択肢があり、その選択は患者がすることになっている。医療訴訟への対策と思えるが、従来、医師が判断していたことを患者がする。
説明責任があるということは患者側にも理解と判断が求められているということで、これはかなり大変なことである。
俺が絵画の授業で、好きなように描いたらいいのですよと言ってるのと同じかな?いや、それどころじゃないだろう。
いや、そんなものかな。専門にしてると、誰にでもわかることのレベルが見えなくなってしまうからなあ。
それにしても見えない世界が現実を左右していること、歴史上の大変化だ。これが如実に現れるにはまだ時間がかかるのかな?
まあ、見えないんだろうけどね。