雨宿り

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入道雲が起ち上がった暑い一日の夕暮れの残光が、見慣れた風景を真横から照らしだして非日常性を演出していた。
自転車で帰る途中だったから、早く帰らないと夕立に会うぞと思いつつ、何度も停まって写真を撮る。
稲妻が光っていても降りそうで降らない。
適当なところで迎えを頼もうとしたが、もう少し前進しておこうと長楽寺まで来たとき、視界がぼやけたと思ったら、目の前はものすごい豪雨のカーテンだった。
すぐ近くにあった倉庫の荷受所に滑り込む。

雨宿り。
なんて久々のことだろう。
既に7時を過ぎていたのでシャッターを下ろした倉庫は誰もいない。
周囲はすっかり暗くなり、叩きつける雨音や水を切るタイヤの音を雷鳴が切り裂く。
さきほどこっそり買った缶ビールを開ける。
とても幸せな気分。
(以前のようにはたくさん飲んでいませんよ。)

広重の版画を思い出し、それ以前に夕立が描かれたことがあったかな?と考える。
こういう日常の光景に眼を向け、題材にしたところが江戸のPOP感性だったのだろう。
30分間、涼しくほっとするような時間を過ごす。
ここ最近には無かった「サイコー!」でした。