友人が宿泊したので、久々にキッシュやアヒージョ、山菜炊き込みなどご馳走を食べながら雑談。実年齢よりも20年近く若い風貌を誇っていた彼にも、あちこちに綻びが見えてきた。話題に病気が出てくるなんて考えられなかったことだが、同窓生だった坂本龍一が亡くなったことも響いているのかもしれない。
翌日はテニスの後、街に出てコンサートへ。
予想外の人出でパーキングは川向かいになったので、滅多に歩かない相生橋で観光客気分を味わう。
原爆ドームに市内電車
新しいサッカースタジアムに広い川。広島、綺麗なところだな。
広島楽友協会のコンサートは啓発と愛好者の拡大を目標にしているので、ポピュラーな選曲が多い。プログラムを見て「これは寝るな」と思っていたが、案の定。
ふうっと眠りに落ちるときに瞬間的に夢を見る。それが何度もあって快い。
ただ、ベートーヴェンの運命はビリっと来た。これは弦楽合奏用に指揮者のH氏が編曲していてオーケストラバージョンではない。
俺は弦楽四重奏のベートーヴェンは好きだが交響曲は苦手だ。素描と色彩に例えてもいいかもしれない。ストレートに形(メッセージ)が伝わる。
やっぱりベートーヴェンはアート志向だ。おもねりが無い。
チャイコフスキーは豪華な食事という感じ。ほう、次はこう来るか。でも俺は美食家ではないし。
指揮と語りの若いH氏はやり過ぎぐらいに「大衆迎合」に徹して奮闘していた。
芸術はそんなものじゃない事ぐらい彼も重々承知だろう。でも大衆文化の時代だ。ブルジョアと西欧への憧れに支えられてきたクラシック音楽が、この先も生き残るには相当な意識改革が必要だ。若い音楽家はもうクラシックとかジャズ、ポピュラーといった区別をしていない。何でもやってしまうし何でもできる。
H氏にはちょっと呆れたが、さすが若さの勢いだな。
排除しない、否定しない。これがこれからの基本になるだろう。
明日から京都だ。