松が原でおもちゃに触れる

昨年のオブスクラ展示で45年ぶりに再会したHさんから、大竹の山中、松が原で毎週土曜に開かれているマーケットにご案内を頂いていた。

今週はテニスがお休みなので訪問を予定したらあいにくの雨。

しかし平凡な風景が一変して幽玄の趣

1時間ほどで到着した時はパラつく程度。朝市のオープン10時前に到着。

地域おこしを牽引するHさんは学生時代に一度我が家を訪れていて(我々は忘れていたけど)、長男、寛太の名前まで覚えていた。「彼女はすごく記憶がいいのですよ」とご亭主の言。

Hさんは県立女子大に在学中、美術科教員が企画したインド旅行に参加した。その時、女房は長男を身籠っていて予防接種の関係で同行できなかったのだった。

ずいぶん昔の話だ。

うら若き娘だったHさんも今や8人の孫に恵まれたお婆さんである。

女房が野菜や手作り品を買い求めている間、手打ちそばの予約を入れ、向かい側の遊戯施設や大きなログハウスを見て回る。

「大竹こども館」

年配のご婦人が我々二人を案内してくださる。20年近く経っているとは思えないが、一時はコウモリが繁殖して大変だったこともあるという。

「手入れ」なんですね、どこも。

保育園として使われたこともあるそうで、幼児用のトイレや授乳室、ランチルームなど充実の設備。

木製の知育玩具がたくさん揃っていて、大人も遊べる。3歳までの子どもなら喜ぶな。

叩くと玉が中に沈む。側面の溝や窪みに沿って玉を転がす。シンプルだけど飽きない。

 

杭をハンマーで打ち込むと側面から押し出されて飛び出す。これもまた単純だけど絶妙に曲面が削られていて、自ずと物理を体験できる。

いろいろできる、何でもできる機器が増えて来て、それが煩わしくもなっているので、この単純さ、大事にしたい。

様々な小物が封印されていて、耳元で振ると音が聞こえる。微妙な音色の差異が楽しい。このセンスや色からドイツ製だなと推測。調べるとSINA社製、1.7万円、ワオ!

幼児期に触れた積み木の記憶は今も残っている。そんな時期にこんなものを体験した人とは生涯にわたる格差が生じるような気がしてくる。

そんなこともあってか、ジジババが孫に送るケースが多いらしい。

これはマグネットで自在に組み立てられるセット。最近のLEGOがリアルを志向して柔軟にオリジナルを構想する基本が希薄になっているから、こういう「見立て」が養える玩具に頑張ってもらいたい。

孫たちの顔を思い浮かべながら、そんなことを考えていたら予約した蕎麦の時間になった。温かな室内で長い時間つきあってくれた係りの方に感謝。

この「こぶしの里、松が原」に着き早々に蕎麦の予約を勧められた理由が、食べてみてわかった。とにかく美味い。そして安い。さらに営業は週1日の3時間半だけ。食材が尽きたら閉店なので諦めて帰る人も少なくないとか。

量もたっぷりで満腹。お土産もいただき幸福感に包まれて帰宅。

おまけに昨日の孫を。幼いほど可愛いものだが、成長もしないとな。