夢を見た。

夢を見た。

巨大な洞窟の急斜面に建てられたマニ塔と、それを支える鉄骨。除幕式なのだろうか大群衆の中に塔を作ったK君が居た。(大学で同期だったが話したこともない。彫刻専攻で卒業後は大阪で教員をしていた。)

そして長年一緒に働いて来た彫刻家の吉田さんの姿もある。

この後、ブザーを合図に群衆が早足で駅を目指して移動を始め、俺は全力疾走で群集をかわしながら走り続ける。

それだけなのだが、とても疲れた。

夢で見る知人は当然のことだが若い。目覚めた後も鮮やかにその姿が残っていて、懐かしく思いを馳せる。広島に移ったこともあって、長年顔を合わせていない人が多い。

会いたいなと思うこともあるが、お互いにそう感じているわけではない。半世紀近い時間の中で生じたズレは大きいものだ。

会って断絶を確かめるよりも、ほのかに思い出を温めておくべきか。

春を予感させる陽気だった。

冬枯れの小枝に若葉が芽生える。俺の居る居ないに関わりなく。

年頭からするべきことをせずに40日が過ぎた。

この日も90分運動して消耗し、おいしく食事してコタツに潜る。だらしない。

でもまあ、いいか。動ける内に動いておくことだ。