出ずっぱり

新藤兼人特集が映像文化ライブラリーで開かれている。

「鬼婆」は見ておきたい作品だったから、バクダンおにぎりを作って貰ってリュックにラケットと水筒を入れて、バイクで出かけた。

いつもの山越えルートを選ぶ。見通しの悪い曲がりくねった道だけど、その緊張感は快いものだ。そして確実に35分で到着できる。こども科学館ならパーキングも無料だ。

映画は生々しく暑苦しいテーマで、いつもの乙羽信子が胸乳も露わに熱演していたが、さほど心には響かなかった。ただ、あのように純文学的な作品を作り続けられたことに感心する。

観客の半数は行き場のない老人と見た。俺もそう見られたか。

お昼過ぎに映画が終わったのでハノーヴァー公園でおにぎりを食べる。

小さな子供連れの若い家族やスケボーを練習する若者、そしてカラスで賑やか。老人の姿は無い。

こうして弁当をもって終日屋外を歩き回るという生き方もある。特に今は良い季節だからそれも悪くない。治療中は千田公園でこんな時間を過ごしていた。

そうか治療は終わったのだなあ。

こども図書館の書架を流し見て、再びバイクに乗って山越え、S大のテニス練習会に。

デニムジャンパーとジーンズの下にはテニスウェアだ。

たっぷりプレーして帰宅は5時半。8時間の外出だった。