高校で世界史を選択して以来、日本の歴史に興味を持たずに来た。
大学では岩波新書で読んだはずだがほとんど覚えていない。
職場の先輩たちが司馬遼太郎の本について語り合っているのを「ダサいなあ」と聞き流していたものだが、昨年、三十三箇所巡りをしたり、息子から貰った京都学を読んだりしていて、時代の大きな流れがわかっていないとまずいなと感じ始めた。
城への興味から武将や地理へと細かな知識で挑戦してくる孫にも対抗しなければならないし。
ということで、手にしたのがマンガ日本の古典、全32冊。
平家物語(3巻)、今昔物語、太平記(3巻)、奥の細道、東海道中膝栗毛、そして源氏物語(3巻)と、かなりハイペースで読み進めている。
さすがにマンガでしかできないことである。
どれも丁寧に作られていて、大きな流れと具体的なイメージがつかめるように工夫されている。
源氏物語は何ととんでもない話かと呆れながら読んでいたが、次第に千年前の平安貴族の繊細な感受性に引き込まれていく。ストーリーでなく情景を受け取るもの。
豪壮な屋敷の四方に四人の女性を住まわせるなんてすごい。俺なら誰を選ぶかなとか不埒なことも考えたりして。
ただ、歴史の半分は戦と飢饉、裏切りや陰謀で、鴨川の河原はとても血なまぐさい所だった。混乱の中を生き抜くのは大変なことだったろう。
それは遥か昔のことではなく、俺の親父もそんな大変な時間を生きたのだが。
金曜日定例の孫との夕食。小学校と保育園へ迎えに行く。
泣いてばかりだった末っ子の機嫌が良く、初めて笑顔で抱っこできた。やっと人見知りがおわったのか。こうでなくっちゃ。