福岡に住む友人に誘われたからであるが、予想通りにガラス越しの彼方に見る色紙は、とても地味で専用のルーペでもなければよくわからないものだった。
海外流出への危惧から、分割して抽選で好事家が買い支えたという来歴がやたらと強調されていたが、こんなに日本独自のものに価値を感じる外国人が居たとは思えない。
大金持ちの道楽を日本美術ブームに便乗して膨らませようとしたのだろうが、やはり観客は少なく、近年稀な「待ち時間ゼロ」だった。
石山寺には紫式部が瀬田川を見下ろして源氏物語の想を練ったという部屋があり、展示室では式部の肖像を比較する特別展が開かれていて、これは面白かった。
教科書に選ばれている偉人の肖像は誰が描いて誰が選出したのか?興味の尽きないテーマですな。
運転席の横に座って落ち着いた沿線風景は広電の宮島線に似た空気を感じさせる。
列車が浜大津を出た時、アッと声を出しそうになった。
小学校の時に何度か来た、その当時の雰囲気がしっかり残っていたからだ。
江若鉄道の流線型木製電車が目に浮かぶ。
近いうちにこの周辺をしっかり歩いてみよう。