薄暗く冷たい風が吹く大晦日、終日、家の中に居た。
楽器を弾いたり音楽を聴いたり。
行方不明と思い込んでいたエリック・ドルフィーのLP
このコンサートの後、36歳で死んでしまった。60年代に輩出した天才的プレーヤーの多くが若くして亡くなっている。
長生きしたから作品が良くなることはない。
工芸は繰り返しの中から作為のない、手に馴染むものが生まれるけれど、表現は溌剌とした生気を失ってしまう。
しかし、ドルフィーには長生きして欲しかった。このひらめきがどんな展開をみせただろうか?
レコードからカセットテープ、MD,CDと変化してデータファイルになってしまった音楽。良くなったことがあったとは思えないが、半世紀前にヘッドフォンで音楽を聴いた時、外界が全く違って見えた。これで道を歩いたら凄いだろうなと感じた人は俺だけではなくて、程なくしてウォークマンが出現した。
こうして世界は変わっていく。
あ、12時だ。2020年になってしまった。